以上書いた事は、すでにやってきている観光客に対するサービスの問題であるが、それより前のこととして、考えなくてはならないことは、これから来る人、来て欲しい人のことである。一級の観光資源があるのだから黙っていても人はやってくるとは、昔に比べて激減した観光客数を目の当たりにして、さすがに今や誰も思っていないだろう。それでは如何にして広く人を呼ぶかである。

 それはPRしかないであろう、でも、従来方式のテレビコマーシャル、パンフレット、情報誌などでのPRは金が掛かかりすぎる、しかし、今では、使い方によっては、それらに比べたら遥かに安価でしかも遥かに効果的な方法がるのだ、それがインターネットなのである。そして、なによりもパンフレットや情報誌に比べて最新の情報をリアルタイムで発信できるのである。ただし、あくまでも使い方によってではあるが。

 地元でも、インターネットを、情報を受けるという形で利用したり、見たりすることに関しては、まあ、最近は誰でも利用するようになった、しかし、反面、同時に「情報を発信する側」としての意識がそういう人たちに果たしてどれだけあるだろうか。インターネットの情報発信は(この部分が一番大事なところであるのだが)、情報発信に、都会だから有利、田舎だから不利ということは全く無いのである。条件は五分と五分なのだという認識があるだろうか。いや、阿蘇という素晴らしい財産をもっているのだから、見方によっては五分どころかもっと良い条件にあるという認識はあるだろうか。どうして、そのインターネットを使って阿蘇をPRしようとしないのか、阿蘇の魅力の情報発信をしないのだろうか。発信するといっても、今のようにただおざなりに発信するのではなくて、もっと積極的にそして有機的に発信しようとしないのだろうか。

 今時の人、特に若い人たちは、何をおいてもインターネットで情報を取る、我が家の婆様なんか90歳過ぎてもインターネットをやっていた。そのインターネットを観光に携わる人、そして行政は発信する側としてどれだけ真剣に活用しているだろうか。

 観光事業にかかわる(行政も含めて)皆さん、実に惚れ惚れするようなホームページを作っている、しかし、ほとんどが業者任せで、作った段階で終わってしまっている。ホームページを作る事は誰でも出来るが(外注すればいいのだから)、作った時点はゴールではなくて、作った時がスタートラインなのである。そこが分かっていない、一旦作った以上は大変だけど、子供を育てるように、毎日毎日情報更新をする(法的ではない、敢えて言えば倫理的とでも言うか)義務が生ずるのである。それはホームページを作った業者にあるのでは無くて、注文したあなたにあるのだ。古い情報をそのままにしているのは、わざわざ阿蘇のネガティブキャンペーンをやっているようなものなのである。遠隔地からインターネットで阿蘇の情報を知りたいという立場に立ってみると良いだろう、一向に更新されない古い情報、知りたい情報が載っていない、そんなホームページを見てどう思うだろうか、阿蘇に行ってみたいと思うだろうか、逆に反感すら覚える事になるだろう。今や流行りだからと軽い気持ちで、あるいは、お付き合いでホームページを作って情報発信をする側に立った人に言いたい、あなた方が考える以上に(多分考えてなんかいないだろうけど)インターネットの向う側には、多くの人たちが情報を探してこちら側を見ているのだと。そう、インターネットで情報発信をする場合、公的な性格を持つ組織のそれは、発信する側で考える以上に大きなマイナスの効果を与えることにもなるし、逆にプラスの効果を及ぼすことにもなるのだ。

 一旦公開した以上はもう興味が無いからと放っておいても、インターネット上ではいつまでも作ったままの状態で残っているのである、それが古い情報のままであれば、それは醜態をさらし続けることになるのである。市のサイトのリンクページを見てみるといい、バラバラで不統一そして死屍累々だろう、市のホームページで紹介する以上、市には、そこまで強い関心を持って、指導する責任があると思う。今、市は一生懸命に光化を進めているが、地デジだとか3Dだとかハードだけがどんどん進んで、中身が全然伴わないテレビと同じで、このままだといずれ、光ネット、宝の持ち腐れになる、そして、答申の結果「廃止が望ましい」になるだろう。

 あえて、そういった公益性のあるサイトの一二を挙げる。某観光協会のホームページを見てみると良い、このサイトを見て、今欲しいホットな情報が得られるか、ああ阿蘇に行って見たいなあという気が起きるか、市全体をカバーする一体感がまるで無い、町村合併前の排他性が随所に見られる、情報が古い、一向に更新や見直しがされていない。例えば、阿蘇道の駅が出来てどのくらい経つ?載っているか?坂梨宿場通りのこと載っているか?載っていないだろう。一体誰がサイト担当者を管理しているのか、市の観光を代表するサイトでこの有様である。

 また、某デザインセンターのホームページ、「阿蘇の魅力を再発見し、地域を元気付け世界の阿蘇を目指す、デザインセンターの紹介です」?何を寝言を、である。情報が全く更新されていない、以前、局長日記なるコーナーがあって一年以上更新されず、そのうち(こっそりだかどうかはわからないが、)いつのまにか、スタッフ日記と改題して、それさえも今やAEDだって効きそうにないほどの仮死状態である。実際の現場では色々活動していてそれなりの実績をあげているのだろうが、外から、遠くからインターネットで見る限りは、それは分からない、ホームページを公開している以上、そう思われても仕方が無い、ああ、何もやっていないんだなあと思われるだろう。ジオパークの審査にあたって、観光客の受け入れ態勢が不十分だと言う評価、案外こんなところも見られているのかもしれない。小生だったら間違いなく審査で落とす。

 こういったホームページの不活性状態の原因は偏にその組織の上に立つ者の資質なのである。小生は決して反市長派なんかではないけれど、こう言った面での行政能力を疑ってしまう。市長さん、市の幹部さん(部長さん、課長さん)そして、会長さん、事務局長さん、あなた方にホームページを作れとは言いません、しかし、自分のところで作ったホームページくらいはちゃんとチェックしてください。チェックのシステム化を考えてみたら如何ですか。市を始めとして、皆さんは本当に観光客の減少に危機感を持っているのですか。

 今の行政は営業マン、セールスマン的(それを指導する)素養(ビジネス・センス)が決定的に欠けているね、今度の仙酔峡ロープウェイの経営難にしてもそうである、どれだけの営業努力をしたと言うのか。黙っていても客は来ない、どれだけ客を呼ぶ努力をしたのだろうか。「入るを量りて出ずるを為す」、今回の答申の内容、「入るを量る」部分にどれだけ言及しているのだろうか。これだけの一級の景観を財産に持ちながら、経営難というのはどういうことだろうか。それは、客が来ないからでなくて、来るような努力をしなかったからだろう。これで経営が成り立たないというのであれば、その経営陣、どこのどんな場所でやったって経営なんかうまく行かないだろう。

 今の小生は誰に対しても何に対しても一切のシガラミがないので言いたい放題に言う。だからと言って、無責任な放言では無い、遠慮なく言わせてもらうということだ。しかしオマエような低額納税者がそこまで言うな、と言われれば、ウンそれはそうだね、である。


 ついでに、小さな事かも知れないが、阿蘇市がもう大分前になるがイメージソング「阿蘇ものがたり」という歌を作った。なかなか良いメロディである、覚えたいと思うが、市のホームページにもどこにも探したけど無い。一度メールで質問したがナシのつぶてだったが、最近ようやく、防災無線で正午を知らせる際のメロディーして流されるようになった。歌詞も広報に掲載された、しかし、この歌を市はどうしようと言うのだろうか、広く市民に歌てほしいというのでなないのか。小学校で皆に歌ってもらおうと働きかけている様子も無い。長野県に「信濃の国」という県民歌がある、小生は長野県民ではないが、たまたま耳にして気に入ったので、友人からわざわざテープをもらって覚えた。長野県民は県を出てからも県人会なのではこの歌を必ず歌うそうである、長野県民は昔から小学校で教えるらしくて、年配者も高齢者も全員知っているといっても過言ではない。そこまでしろとは言わないが、せめて、普通に歌に触れる機会があれば良いのにと思うが、いまだに伴奏つきの歌は聴いた事が無い、市民の大部分もしみじみ知らない。多分、著作権がからんで、そうそう無闇にばら撒けないのだろう。皆に歌って欲しいのなら著作権ごと買い取って皆に配れよ、インターネットで流せよ、と言いたい。これなんか、阿蘇をPRする格好のメディアではないか、一体どういうつもりで作ったのだろう、分からない。
2012.11 追記
検索エンジンで イメージソング 阿蘇ものがたり を検索すると、トップにこのページが表示されることがあるが、ここでは、市のホームページでこの歌が紹介されていないと書いてあるが、その後、試聴できるようになっているので、誤解を避けるために追記する